【中小企業診断士】一次試験 ストレート合格できる勉強法

中小企業診断士

中小企業診断士の三田元気です。

今日は中小企業診断士 一次試験をストレート合格できる勉強法について、ご紹介します。

中小企業診断士試験の概略

中小企業診断士試験(以下、診断士試験)は、

  • マークシート形式の一次試験
  • 記述形式の二次試験筆記
  • 筆記試験合格者を対象とした二次試験口述

で構成されています。

まずは、一次試験を突破すること、これが診断士試験合格の第一関門になります。

一次試験の試験範囲・合格条件は?

一次試験の試験範囲は、7科目と非常に広いのが特徴。

試験科目は、

  • 試験時間80分で行われる企業経営理論、運営管理、中小企業経営・政策の3科目
  • 試験時間60分で行われる財務・会計、経済学・経済政策、経営法務、経営情報システムの4科目

です。

なお、企業経営理論、運営管理、財務・会計は2次試験にも関連しています。

企業経営全般を学ぶ必要がある診断士試験にふさわしく、あらゆる分野から出題されます。

それぞれの科目は100点満点で、合格には7科目で420点(1科目平均60点以上)かつ、1科目でも40点未満にならないこと、が必要になります。

なお、科目合格制度があり、2年間の有効期間内であれば、科目免除が受けることができます。

一次試験の合格率・勉強時間

一次試験の合格率は、年によって変動するものの20%程度といわれています。

参考までに、過去の合格率グラフをご覧ください。

令和2年度の一次試験合格率が、43%と群を抜いて高いですが、それを除けば最高は令和元年度の30%、最低は平成16年度の16%となっており、おおむね20%代が標準的な合格率となっています。

今後国として中小企業診断士を増やすといった噂もありますので、ふたを開けてみないとわからないのが例年の合格率ですが、まずは20%程度の合格率と考えておいて差支えないでしょう。

勉強時間は、1日2時間を1年間みっちりやれば合格圏内に入れる、と筆者は考えます。

参考までに、令和2年度合格者にアンケートを取ってみました。
(全体n=51、ストレート合格者n=24)

まずは、多年度合格を含めた全体から見ていきましょう(単位:人)↓

100時間未満の強者から、2000時間以上の長時間勉強者まで幅広い勉強時間の分布です。

ボリュームゾーンは400~700時間といったところでしょうか。

次にストレート合格者の勉強時間を見ていきましょう(単位:人)。

ストレート合格者も100時間程度から1000時間を超える勉強時間まで幅広いですが、400~500時間、800時間以上がボリュームゾーンのようですね。

二次試験を含めた合格者1000人に対し、50人程度からの回答を集約したものなので、N数は少ないですがご参考まで。

一次試験 ストレート合格できる勉強法

それではお待ちかね一次試験をストレート合格できる勉強法を3ステップで紹介していきます。

ステップ1:試験範囲のイメージをざっくりとつかむ

まず、全体感を掴みましょう。

ざっくりとそれぞれの科目で何が問われるのかを掴みましょう

経済学・経済政策 二次試験との関連★☆☆

一国の経済活動を対象とするマクロ経済学と一個人・一企業の経済活動を対象とするミクロ経済学から出題されます。

おおよそ以下を対象とした問題が出題されます。

  • マクロ経済学:国民経済計算(GDPやGNIなど)、財政・金融政策(IS-LM分析・AD-AS分析など)、国際収支・為替相場(マンデルフレミングモデルなど)など
  • ミクロ経済学:消費者行動と需要曲線、企業行動と供給曲線、不完全市場、外部経済など

なんだか難しい感じがしますが、論点は限定されていますのでコツをつかんでしまえば得点源にもなりうるでしょう。

財務・会計 二次試験との関連★★★

簿記の基礎知識や原価計算、経営分析、キャッシュフロー、投資決定、企業価値などが出題されます。

財務・会計は、簿記2級レベルとよく言われますが、マークシート問題であること、日商簿記ほどは複雑な計算問題は出題されないこと、から試験対策として簿記2級をやる必要はないと思います。

また、二次試験との関連が強いので二次試験対策として、しっかりと自分で答えにまでたどり着けるように勉強しておくとよいでしょう。

企業経営理論 二次試験との関連★★★

企業戦略論、組織論、マーケティング理論の3分野から出題されます。

二次試験の事例Ⅰ(人事・組織)や事例Ⅱ(マーケティング)に直接つながる最重要科目の一つです。

マークシートながらも選択肢の日本語が難しく、どれを選んでも正答では?と思うような難問も出ることがあります。

一次試験前のやっつけではなく、早めに手を付けたほうが良い科目の一つでしょう。

運営・管理 二次試験との関連★★★

製造業の生産や品質を範囲とする生産管理と、流通業の店舗運営や立地、流通などを範囲とする店舗・販売管理の2分野から出題されます。

二次試験の事例Ⅱ(マーケティング)や事例Ⅲ(生産・技術)に直接つながる最重要科目の一つです。

勉強した知識などを復習しながら街歩きや買い物などを楽しめればよいですね。

経営法務 二次試験との関連★☆☆

民法や会社法、知的財産権、倒産法制などから出題されます。

合格率の極端に低い”爆弾科目”になったことも多く、法律になじみの薄い受験生は苦労する科目です。

二次試験との関連も薄いので、苦手な方は、会社法や知的財産権、倒産法制など頻出のポイントに絞って効率的に学習することがストレート合格への道かと思います。

経営情報システム 二次試験との関連★☆☆

IT技術に関する基礎的な知識や企業におけるシステム開発などについて出題されます。

難易度としては、ITパスポートレベルの知識があれば対応できますが、情シス系に疎い受験生は苦労する科目です。

より様々は人が受けるITパスポートのテキストのほうがわかりやすいことも多いので、ITパスポート対応テキストやYouTube動画などを参考に勉強するのがおすすめです。

中小企業経営・政策 二次試験との関連★☆☆

中小企業白書から中小企業の動向に関して出題される中小企業経営中小企業関連の政策について問われる中小企業政策があります。

白書は大変勉強にはなりますが、試験対策としての費用対効果は低いので深入りは禁物。

評判のよいテキストを使って効率的に学習しましょう

TAC『合格へのはじめの一歩』はおすすめ

簡単な説明は以上ですが、次にご紹介のテキストを読んでみるのがおすすめです。

ビジュアルが多用されていて、ポイントを絞り込んだうえで構成されています。

まずはこの入門書で試験の内容をこんなものかな~とつかんだうえで7科目をどこから手を付けるか戦略的に計画を立てることから学習はスタートします。

ステップ2:インプット/アウトプットの黄金比率を意識した勉強を行う

ステップ1で試験範囲を掴んだらさっそく勉強に移りましょう。

ここでとにかく意識をしたいのは、インプット:アウトプット=3:7の黄金比率!

アウトプット重視でストレート合格を勝ち取りましょう。

私のオススメの進め方は、

①テキストをざっと流して読む
②読んだ範囲の問題集を解く
③テキストを精読する(この際、手で書き写しながら覚えこませる)
④問題集を再度解く(解けない問題は付箋でチェックし解けるまで解く)

①~④を1章などの短サイクルで回し、1教科終わったところで、

⑤過去問を解く
⑥解けなかった問題がある範囲は②~④を繰り返す

といった内容です。

厳密に①~⑥の順をトレースする必要はありませんが、ポイントは、

  1. あまり理解していない状態でも問題集を解くこと
  2. テキストや問題集で完璧に仕上げる前に早めに過去問を解くこと

です。

1は学習に関する過去の研究でも(問題が解けなくても)問題集から先にやった方が点数がよくなるといった結果が出ています。

2は1の応用編。過去問を解けば試験の傾向もわかります。
過去問で傾向を掴んで効率的に進めましょう

ステップ3:①弱点補強、②深入り禁物、③勉強は最新テキストで

ステップ2で効率的な勉強法は理解いただけたと思います。

ステップ3はこれだけは覚えておいていただきたいポイントです。

①弱点補強

一次試験のストレート合格を狙うにあたって最も注意しなければならないのは、40点未満の教科がある足切りです。

なので、まずはどの教科もまんべんなく必ず40点以上を取れることが必須条件。

弱点は最低ラインまでは強化しましょう。

◆苦手な方の多い科目の攻略法は以下の通り

経済学・経済政策 … 頻出の論点をグラフを書いて体で覚える

経営法務 … 複数のテキストを使って様々な角度からの問いに答えられるようにする

経営情報システム … ビジュアルが多いITパスポートのテキストやYouTube動画を使う

②深入り禁物

一方で、平均60点以上が取れればよいのが一次試験。

得意科目を得点源にしようとマニアックな論点を勉強したり、学術書へ手を出すのは試験対策としては愚の骨頂。

①の弱点攻略へ時間を当てるか、二次試験との関連が深い科目を重点的に勉強しましょう。

特に、財務・会計は二次試験の事例Ⅳと直結するので、時間があれば計算問題集などで徹底的にやりこみましょう。

③勉強は最新テキストで

試験勉強にあたって必ず最新のテキストが必要な科目と最新でなくても大丈夫な科目がありますので、見極めが大切。

法律や制度が変わると試験対策も変わってくる、経営法務、中小企業経営・政策は必ず最新のテキストをそろえてください。

一方で、理論的な内容の多い財務・会計や経済学・経済政策は最新のものでなくてもOK

残りの企業経営理論、運営管理、情報システムは大きな法改正などがなければ1年前のテキストでも対応できますが、できれば最新のテキストを手に入れたほうがよいでしょう。

(おまけ)受験生向け相談会はこちら

ここまで、一次試験の概要とストレート合格できる勉強法を見てきました。

受験生のみなさま、一次試験対策頑張ってください。

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